Ad Farmの規制
「Ad Farm」とは,典型的には,ほとんど使い道のないような小さな区画に通常の価格よりも著しく高い価格で販売設定した上,そこに視界を遮るような背の高い看板を立て,これに困った周囲の土地所有者に高値で土地を買い取らせることをいいます。これを業として行う人のことをAd Farmerとも呼ぶようです。
これはメインランドの困った問題で,これに反対し,対抗するグループもいくつか存在しています。勝手に紹介させていただきますと,日本でも,Landscape Protection Network of Japan(日本景観保護ネットワーク)というグループが,景観保護という観点から活動されています。
これまで,リンデンラボは,Ad Farmについて,特段の規制をしていませんでした。
従前のリンデンの態度は,上記Landscape Protection Networkのブログ記事にあるChiyo Lindenさんの対応からも窺えます。
しかし,こうした景観保護の働きかけがリンデンラボを動かしたのだと思いますが,
リンデンラボは,Ad Farmについて,コミュニティスタンダード違反(ハラスメント行為)として処罰する方針を発表しました。
公式ブログの記事
翻訳サイトの記事(いつもお世話になります)
最近,リンデンラボがAd Farmを問題視しているらしいことが分かったのは,2008年2月8日の公式ブログにJack Lindenのコメントがあったからですが,それから1週間も経たない同月13日に公式ブログでハラスメント行為として規制することを発表したのは,(それまで何もしていなかったことに目をつぶれば)驚くべき早さであったというべきでしょう。
さっそく,この方針を受けて,次々と処分がされているようです。リンデンラボの方針によれば,最初は軽い処分から,順次重い処分へと段階的にされるようです。最近の処分の結果の発表のなかには,ちらほら「Visual spam from ad farms」という理由で警告や,アカウント停止などの処分がされています。
プライベートSIMでは,建築物については高さ制限を設けているところが多いようです。しかし,メインランドではそのような規制がないため,景観を害する建築物も少なくなく,メインランドの人気が上がらない一つの理由になっているようです。リンデンラボは,最近人材を募集して公共事業部を立ち上げ,メインランドのコンテンツを充実させる方針を打ち出しました。メインランドの魅力を高め,利用を活性化する目的と思われます。Ad Farmの規制も,これとリンクするものだと思います。
リンデンラボのAd Farmの規制方針は,景観保護を直接の目的としたものではなく,見通しの悪い看板を立てることによって,隣地所有者に高値で買い取らせようとする行為がハラスメントであるとするものです。これはこれで対応するべきですが,今後は,景観自体の保護についても,それなりの対応をしてもらいたいと思います。
規制といっても,それに反したら処分するといった固いものだけでなく,例えば,メインランドの建築物のガイドラインのようなもの(建築する以上,これを守ることが望ましいという程度の規範)を発表するのも,有効かもしれません。
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