2007年8月1日水曜日

e-Justice Centre

以前バーチャル裁判所構想について取り上げましたが,
どうもこれが現実化しそうです。

1 オンラインADR

その前にオンラインADRのことを書く必要があります。

ADR(Alternative Dispute Resolution)とは裁判外紛争解決のことで,裁判によらず,調停や仲裁などによって紛争を解決することをいいます。

このADRサービスをオンラインで提供している機関があることを知りました。

ADRJapanのサイトにいくつかが紹介されています。
利用条件や費用は各団体によって異なっていますが,オンライン上のトラブルにおいては,紛争当事者が外国や遠隔地に住んでいることが多いですから,こうしたサービスの利用が検討されてもよさそうです。

2 ポルトガル司法省の試み

最近,セカンドライフの中でADRサービスをするものができたそうです。

ポルトガル司法省が,2つの大学の協力を得て,セカンドライフ内にe-Justice Centreを開設し,調停や仲裁のADRサービスを提供するそうです。

利用対象者は,ポルトガル人に限られず,セカンドライフの住人なら誰でも可能なようです。
使用言語はポルトガル語,英語を選択できるようです。
手続は基本的には,UNCITRAL国際商事調停モデル法に準拠して行われるそうです。
使用料金は紛争対象の経済的利益を基準として定められているようで,まあ合理的な金額と思われます。

なかなか面白そうな試みですし,公的な機関がやるのがよいですね。ポルトガルなかなかのものです。日本の法務省はこんなこと絶対できないですね。

こうしたADRは,お互いに理性的な話し合いができることが前提ですから,たちの悪い著作権侵害を行っている者を相手方にするには適当でないかもしれませんが,裁判での解決の困難性は前に取り上げたとおりですから,結構使えるかもしれません。

この試みが成功することを祈ります。

e-Justice Centreの建物













会議場の様子