2007年8月1日水曜日

システムの安定性への懸念

この数日間セカンドライフでは暗い話題が続いているようです。

GINKOの取り付け騒ぎがありました。もともと,どのように資金運用しているのか明らかにされておらず,経営の健全性を疑問視されていたGINKOですが,預金引き出しを停止し,その後も引き出しを制限しました。

WSE(World Stock Exchange)のハッキングのニュースもあり,セキュリティを強化した新システムについても不具合が出て利用者に不評のようです。

ここらへんの経過についてはSecond Life 体験&探検をご参照下さい。

(その後GINKOはなんと別の株式市場AVIX(Allenvest International Exchange)を取得しようとしていたことが分かったようです。これは断念されたようですが,一体どうなっているのでしょうか?  Virtually Blindの記事

それと,最近セカンドライフはシステムダウンが相次いでいます。

これらの問題と,前に取り上げたギャンブル禁止の影響も重なり,セカンドライフ内で消費されるドルの量が最近低下しているとのレポートがあります。
Second Life Heraldの記事

最近,セカンドライフがメディアに登場することが多くなる反面,否定論も多く目にします。

わたし自身は,この世界を結構楽しんでおり,セカンドライフのような仮想世界が今後も発展する可能性があることは肌で感じています。しかし,セカンドライフ自体が発展するかどうかについては最近の様々な出来事を見ていますと,不安にならないわけではありません。

この世界が発展するためにはやはりシステムの安定性が必要です。

第1に物理的なシステムが安定している必要があります。

頻繁にダウンする,持ち物やリンデンドルが突然無くなってしまう,ちょっとイベントで人が集まると固まってしまうというのでは,安心して活動ができません。
もっとも,ここらへんは,リンデンラボに改善の意欲が感じられますし,まだまだ技術的に発展途上だと思いますので,暖かい目で見守っていきたいと思います。

第2に社会的なシステムが安定している必要があります。

ある日突然に規則が変わり,今まで許されていた経済活動ができなくなる,著作権が保護されているといいながら,侵害されてみれば,結局はリアルで裁判しなければ解決しない,消費者保護の仕組みもない,詐欺的な経済活動を取り締まる仕組みもないというのでは,安心して経済活動をすることができないと思われます。

リンデンラボは,ユーザーの自治に任せているといいますが,要するに放置しているに等しい状況です。それにリンデンラボには規約改正やアカウント停止処分などの場合に,適正手続(Due Process)という発想が不十分なように感じます。

リンデンラボが非公開企業で,財務内容が開示されていないのも問題です。我々は株主ではありませんが,我々のセカンドライフ内での財産の価値はリンデンラボの信用力に依存しているので,知る権利があるはずです。

ここらへんについて,リンデンラボの関係者はどのように考えているのでしょうか?