2007年8月10日金曜日

Ginko支払停止- この事件から得られるものは?

SL最大の銀行Ginkoが預金者への支払を停止しました。
Ginkoは,強制的に預金をすべて無期限債(償還期限無期限で金利のみ払う債券)に転換すると告知しました。
この経緯は,sheilaさんのブログ「Second Life 体験&探検」がくわしいので,参照下さい。

1 Ginkoの今回の措置の問題点

Ginkoと預金者の関係は契約関係ですが,当事者の一方が他方の同意なしに契約内容を変更することはできないはずです(契約の中で一方的変更権を定めてあれば別ですが)。したがって,無期限債への転換に同意できないのであれば,預金者はこの告知には拘束されないと思います。

それに,このような重大な変更をするのであれば,預金者の預金がどのように使われていたのか(投資運用していたとする,その具体的な内容)を全て証拠とともに開示し,預金者を納得させる必要があると思います。

もっとも,こうなっては何を言っても空しいだけかもしれません。

2 リンデンラボの態度

Ginkoはかなり前から不安視されていましたが,リンデンラボは最後まで何もしませんでした。これに警告を発することもなかったと記憶しています。
Rosedale氏の発言を見る限り,リンデンラボは,SL内銀行について何の規制もしてこなかったし,今後も規制をする気はないようです。

3 Ginkoの事件から何を学ぶのか?

今回のことからは,リアルの素性のしれない会社や人に安易に財産を預けてはいけないという,ごく当たり前の教訓が導かれるだけなのでしょうか?「インターネットの世界ではよくあること」ですまされてよいのでしょうか?

この世界は自由放任が売りだったかもしれません。しかし,仮想世界が現実世界と同じように発展するためには(それはセカンドライフではないかもしれませんが),やはり最低限のルールが必要です。

現実世界では,銀行などについては免許制になっており,預金者を保護するために政府が監督しています。免許制にしないまでも,リアルの人格を特定する情報の開示,資産運用の開示などを義務づけるような最低限のルールを決めておくのも悪くないでしょう。

broadly offensive contentなどを取り締まるより,そっちのほうが重要ではないかと思うのですがどうでしょう。