セカンドライフにID認証システムが導入
重要なニュースが入ってきました。
リンデン・ラボの公式ブログでセカンドライフにID認証システムが導入されることが告知されました。
ID認証はまず本日よりベータ版がSIMオーナーに向けて開始され,その後,正式に導入がされるそうです。
このID認証システムは,従来言われていた年齢認証の意味があるのはもちろんで,これによって18歳以上であるとの証明がない者は,アダルトコンテンツなどが置いてあって,土地所有者が未成年者に不適当として立ち入りを制限した区域には立ち入れないことになります。
しかし,重要なことは,このシステムは,セカンドライフ内での取引の安全の確保も目的としていることです。
前に,インターネットの「匿名性」が仮想世界内での法の適用を困難にしていることをブログで取り上げました。
ID認証システムの導入は,この「匿名性」に制限をかけることを意味します。
リンデン・ラボによれば,このID認証システムの利用は,各人の自由にまかされているということです。
しかし,取引の相手方としては「匿名」な相手方よりも,「ID認証」された相手方が適当であることはいうまでもありません。
もし,SL内銀行のオーナーが「ID認証」されていなかったら,その銀行に多額の金を預けるでしょうか?
したがって,このシステムが導入されたら,SL内銀行のオーナーや証券取引所のオーナーだけでなく,ある程度規模の大きな経済活動をするためには,その資格としてID認証が求められることになりそうです。
リンデンによれば,ID認証によって得られた個人識別情報は,裁判所の命令によって開示されることがあるということですから,もし,訴えたい相手がID認証をしていたなら,今までのようにIPアドレスから相手方を特定して訴訟をするなど面倒なことをしないでも,相手方を特定することができることになります。
リンデン自体は,ID認証によって得られた個人情報を保存しないというのですが,これは社会保障番号などの原データということでしょうね。年齢データがリンデンのデータベースにないと行動の制限をしようがないですから,年齢データは保存されることは間違いないでしょう。ほかの識別情報はどこまで保存されるか不明ですが,コミュニケーションの信頼性を向上させるという目的が上げられていることからすれば,リアルの氏名,住所などは保存されてしかるべきでしょう。あるいは,認証プロバイダのほうに保存されているのかもしれません。このへんはもうちょっと情報を集めてみたいと思います。
免許証番号などで正確な認証ができるのか疑問の声もあり,具体的に手続がどう運用されるのか,プライバシーがきちんと保護されるか心配な面もありますが,正式導入まで引き続き注目していきたいと思います。
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