2007年10月31日水曜日

新たな著作権侵害訴訟と知的財産権保護ツール

Eros LLCの訴訟で,インターネットプロバイダーから開示された情報に基づいて,SexGen Bedを違法にコピーしたとされるCatteneo(アバター名)のリアルの人格が特定されたことは前回記事にしたばかりです。

今度は,Eros LLCが,ほかの5つのブランドとともに,違法コピーをしたとされるNY州の男性を訴えたというニュースが入ってきました。

Eros, LLC. DE Designs Inc.という2つの会社とSLではRH Designs, Le Cadre, Nomine,Pixel Dollsというブランド名で商品を販売している4人の個人が,NYの住民Thomas Simon(アバタ名Rase Kenzo)に対して,違法コピー商品を販売しているとして,損害賠償及び侵害行為の差止めを求める訴えを,NY東部連邦地方裁判所に提起したそうです。

前のSexGen Bed事件も決着が付いていませんが,今度は6者が共同して提起しており,社会的な影響力は前よりも大きいかもしれません。今度は被告のうち1名は特定しており,この部分は,当該被告が侵害行為を行ったかどうかを立証できるかどうかで勝負が決まるので,前よりも単純な訴訟になると思います。

もっとも,氏名不詳者が共謀しているとして,John Does(名無しの権兵衛)10人も被告に加えていますので,これを本気で特定しようとすれば,前の裁判と同じような問題が生じます。訴状によると,John Doesは全部米国民であるとしていますが,おそらく,そのように定義しないと,米国の連邦裁判所が管轄を認めてくれないために,そのようにしているのではないかと思います。

仮想世界の紛争解決を困難にしている理由が,匿名性と,国境を越えた紛争であることは,前に述べたとおりです。今回の訴訟のように,たまたま一部とはいえ相手方が特定され,しかも,同じ国民同士の紛争であれば,そういった困難な問題はありませんが,いつもそうなるとは限りません。むしろ,そうならないことの方が多いはずです。

今回の訴訟によって,違法コピー問題が解決されるとしたら,それが全体の問題の一部とはいえ,好ましいことには違いありませんが,やはり現実世界の訴訟に持ち込まずに解決できる枠組みが必要です。

まず,システムとして違法コピーができないようにする必要があります。SIMクラッシュを利用して違法コピーが作られたり,CopyBOTによる違法コピーが横行したりしているのに,どうもLL社側はこれに対して無策なように見えます。最近,ダイヤモンド社のPhilip Rosedale のインタビューが載っていましたが,Philip氏いわく「セカンドライフでは、人々は詐欺行為や悪いことをしている人々がいると、それが誰かを簡単に見極められるので、誰もが安全なのです。電子的世界、デジタル世界に存在する資産の中には、現実のモノよりも多くのアイデンティティが含まれています。ですから、セカンドライフの中ではモノを盗むことができません。」だそうです。ええと・・・なんと言ったらいいんでしょう。

LL社がそういう認識である以上,制作者側は自衛手段を講じる必要があります。最近,そういう仕組みを提供するグループが現れました。

The Second Life Patent & Trademark Office(S.L.P.T.O.)は,新しい知的財産権保護ツールを開発し,試験運用を始めているようです。

VBの記事

S.L.P.T.O.は,創作物の登録,オリジナルであることを証明する証拠資料の保存などいくつかのサービスを提供するようですが,商品を限定販売品とするスクリプトの提供というのが面白いですね。これは,アイテムを売るたびに,アイテムの購入者を記録したり,一定限度を超えてアイテムを販売しないようにしたりするもののようです。これによって違法コピーの発見と,その立証を容易にするもののようです。

これとは別に考えたのですが,例えば,Rezしたら,オリジナルの作成者に,そのアイテムの所有者が誰かを通知するようなスクリプトを埋め込むことはできるような気がします。しかし,そのようなオブジェクトの通信ばかりが増えて,セカンドライフが重くなったら問題ですね。

やっぱりLL社に頑張ってもらうしか,良い方法はないような気がするのですが・・・技術力に限界が?

2007年10月27日土曜日

全てのSIMをつなげたら?

「セカンドライフ,ここが不満」(その1)

仕事が一段落したら,風邪をひいてしまいました。
すぐ次の仕事に取りかからなければならないのに,
こまったものです。

仕事が忙しくてしばらく更新できていなかったので,駄文を連発することにします。
今日はセカンドライフをやってて不満な点,ここをこうやってほしいというようなことを書いてみたいと思います。もし,反響がよかったらシリーズで書いてみたいと思います。題して「セカンドライフ,ここが不満」(その1)(仮称)とでもしますか。


セカンドライフでは,仮想土地は,SIM単位に分かれており,基本的に,1つのサーバーが1つのSIMに相当します。1つのSIMの仮想的な広さは256m×256mです。そして,このSIMは,LL社が直接管理するメインランドと,ユーザーがSIMオーナーとして管理するプライベートSIMに分かれています。

ところが,これらのSIMは地図上で近接して置かれているように見えても,実際はアバターが歩いたり,飛んだりして自由に行き来できるわけではなく,これらのSIMを行き来するには基本的にはテレポートをするしかありません。SIMとSIMの間に海があるように見えても,海の上を飛んでいけるわけではないのです。自由に行けるのは,メインランド上のつながったSIM(メインランドも大陸が離れていれば,テレポートしか移動手段はありません。)か,複数SIMを所有しているSIMオーナーが,自分のSIMを連結している場合(MagSLとかのSIM)などに限定されます。

セカンドライフを始めたころ,ここが最初よくわからなくて,海の上に飛んでいこうとして見えない壁にぶち当たっていましたw 今では,すっかり,近くのSIMでもテレポートしかいけないということがごく馴染んだものになってしまいましたが,果たしてこれでいいんでしょうか?

前回企業SIMの問題のところでふれましたが,SIMが独立していたら,客が偶然にそのSIMに入るということが期待できません。だから,WEBで宣伝しないと客が来てくれないということになります。しかし,このことがセカンドライフというメディアを阻害しているように思います。

人々の流動性を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?

いっそ全てのSIMを連結したら,どうでしょう?

SIMオーナーによっては,見も知らない他人のSIMとの直結をいやがる人もいるでしょう。連結したら,客も入ってきますが,来てほしくないマナーの悪い人も入ってくるからです。隣に派手な看板が見えるといやだという人もいるでしょう。

だったら,直結するのではなく,リンデン所有の海(公海)でつなげればよいのです。今でもメインランドの一部にリンデン所有の海はありますが,すべてのSIMというSIMの間を自由に行き来できる海にするのはどうでしょう。いっぱい空のサーバーを作らなければならないという問題はありますが,マスメディアに踊らされた企業がいっぱい参入して,LL社も儲けているはずですから,できないことはないでしょう。企業側も人が流入したほうがよいと考えれば,既存の例えばメインランドとの連結を希望する企業も少なくないはずです。

すべてのSIMが連結して海でつながったら,いわば大航海時代の始まりです。今までのように検索して目的のSIMへテレポートという単線的な動きではなく,フラフラと当て所もなくさまようという遊び方ができます。偶然に面白いものを発見することができるかもしれませんし,楽しいと思います。

わたしは,飛行船のようなものに乗って,ふわふわと世界をさまよい,面白いものを見つけたら下に下りるという感じで,気ままな旅をしてみたいですね。

今後,流行るとしたら,多分きっとそういう仮想世界だと思います。テレポートも慣れれば便利ですが,味気ないですよねえ。

2007年10月26日金曜日

ついに名無しの権兵衛でなくなった

前にEros LLCの訴訟で,インターネットプロバイダーから開示された情報に基づいて,SexGen Bedを違法に複製したとされるCatteneo(アバター名)のリアルの人格が特定されようとしていることを書きました。

前記事

Eros LLC側弁護士Taney氏によれば,ついにCatteneoがテキサス州ノースリッチランドヒルズに住む19歳の男性であることが特定されたようです。

ロイターの記事

その男性はCatteneoであることを否定しているようですが,開示されたプロバイダーの情報では,その男性の家が特定されたということです。また,もうひとつのプロバイダーからの情報は,ダラスからアクセスされたことを示しましたが,家族からの聞き取りによれば,その19歳の男性がダラスにPCを持っていってネットにつないでいたという裏付けが取れているそうです。

前にCatteneoは,ロイターのインタビューに答えて,絶対に見つからないと思ったのか,自分が19歳であるということを話していましたが,これとも符合しますね。

ロイターによれば,Catteneoは,わざとSIMをクラッシュさせて,ロールバック時にアイテムが複製されることを利用して(くわしくはわかりませんw),アイテムの複製を作っていたそうです。

Eros LLC側弁護士は,その男性に和解の申出をしているそうですが,和解になるのか,裁判が進められるのか,今後の動きが注目されます。

ここまで書いてきて,ちょっとひっかかることがあります。

弁護士が派遣した調査員によると,その男性の家は,家の前に壊れた車が置かれた質素な家で,叔父,祖母,曾祖母といっしょに暮らしていたそうです。前回,「パパやママに相談したら」なんて気楽なことを書いてしまいましたが,心から相談できるような人が身近にいなかったのかもしれません。おばあちゃん(おそらく母親代わり?)によれば,その男性はADD(注意欠陥障害)で,多分何をしていたのかよく分からなかったのでは?ということですが。

その男性のおばあちゃんに同情します。
その男性が本当に「犯人」かどうかは,まだわからないですが,仮にそうであっても,早く和解で解決できるといいですね。
おばあちゃんに心配かけるんじゃないよ・・・

2007年10月25日木曜日

企業のセカンドライフの参入の問題点

1 すぐに飽きられる企業SIM

電車のつり広告,街角の看板,テレビのコマーシャル,WEBサイトの隅,いろいろなところに広告があると思いますが,そうした広告などを見るということは決して意図してされた作業ではありません。たまたま目に入ってしまうというものです。ところが,セカンドライフで企業SIMに行くということは,そうした広告を見るというのと異なり,たまたま何かの行動をしていて,偶然に企業SIMに入ってしまうなどということは基本的にないと思います。たいていの企業SIMは,独立したプライベートSIMに構築されているところがほとんどですので,そのSIMを訪問するということは,必然的にそこを目的としてテレポートするという意識的,意図的な作業を伴います。居住用のSIMに隣接して企業SIMを作っているところもあり(MagSLなど),こういったところは,通りすがりに立ち寄ってもらえることも期待しているのでしょうが,隣接した居住用SIMを訪問する人で,偶然に企業SIMに入ってしまう人は,そんなに多くないと思います。

したがって,企業SIMに客を呼ぶためには,どこそこのSIMで,こういうのをやってるよという宣伝が必要になってくるということになります。宣伝用のSIMに来させるために更に宣伝しなければならないという皮肉な状況があると思います。

また,客にそこへ行くための動機付けを与える必要があります。それでないとわざわざテレポートという面倒な作業をしないと思います。この動機付けとして使われているのは,例えば,ゲームや無料アイテムの配布といったものです。しかし,ゲームはよほど面白いゲームでもなければ,1回やったらそれまでということになります。無料アイテムも1回もらったらそれで終わりでしょう。こないだ日産のSIMでスケートボードを3回成功させたら,アイテムをもらえるというのがあって行ってきました。ゲームはそれなりに面白かったのですが,無料アイテムももらえたし,もう,二度は行かないと思います。

セカンドライフガイドというセカンドライフの検索サイトがありますが,そこでテレポート数を分析したら,企業SIMの人気はすこぶる悪く,企業がセカンドライフに参入してすぐは、物珍しさから訪問するが、長くても2日後には、訪問数はピークに達し、4日後には、ほとんどの人が興味を失い再度訪問しなくなる傾向にあるそうです。

参考記事

セカンドライフへの企業の参入がマスコミで大きく取り上げられましたので,セカンドライフをやり始めた人が,最初に企業SIMに行くことも多いでしょう。しかし,企業SIMがあまり面白くないことから,その後セカンドライフ自体をやらなくなってしまうという人も少なからずいるような気がしてなりません。

2 企業SIMに行って思うこと

セカンドライフを始めてから,有名な企業が進出するたび,そのSIMを訪れてみるのですが,なんだかなあというのが結構多いです。よく思う感想は,「これってWEBサイトを単に立体化しただけじゃない?」というものです。中には,わざわざWEBサイトに誘導するだけのものもあります。そんなときは,「そんなことなら最初からWEB見るよ」といいたくなります。だって,WEBの方が,情報は豊富だし,軽いですからね。そんなSIM作って,セカンドライフでやる意味ってあるんでしょうか?

それにそういうSIMに行って思うのは,「生きている人がいない」ということです。もちろん,客がちらほらいますが,肝心の企業側の人(アバター)がSIMにいるというのをあまり見たことがありません。常時いるというのは,人件費もかかるでしょうが,時間を決めているとか,IMで呼ばれたら対応できるようにするとか,いろいろとできるはずです。特にかまえたことをしなくても,誰かがいて,話しかけてくれるだけでも印象が違うと思うのですが。

あと,イベントとかもやってるところは少ないです。新商品の説明会とか,そんな直接的なものでなくても,企業協賛のコンサートやクイズ大会,スポーツ大会とかいろいろあると思うのですが,こうしたことをやっているのは少ないです。

たいていのところは,一回作ったら,かなり長い間,手間も暇もかけずに放置しているような気がします。これでは,飽きられて当たり前ですね。セカンドライフは,リアルタイムに多人数の人が出会えるコミュニケーション・ツールであるところに特色があると思いますが,こういったSIMに行って思うのは,企業側がポンとオブジェクトを置いてあるだけで,いわば死んだ街であり,およそコミュニケーションの要素がないということです。

3 最近の動き

最近,企業側でも,こうしたゴーストタウンを作るだけの仮想世界利用について再検討する動きがでてきました。仮想世界を利用した社内会議など,コミュニケーションツールとして,仮想世界というメディアの特性に応じた利用をしようという動きです。

ロイターの記事

上記の翻訳

ただ,社内会議もよいのですが,そうしたクローズドなコミュニケーションにだけ利用されるのでは,ちょっと残念ですね。
どうして,企業は顧客と直接コミュニケーションするという発想にならないのでしょうか?クレーム殺到の場になるのが怖いのでしょうか?

4 個人的にこういうのがあったらいいなと思うもの

例えば,新製品を発表するときって一般的にはプレスに向けて発表会を開くと思うのです。そのプレス発表を通じて,間接的に消費者はどんな新製品が出たかを知るのですね。でも,セカンドライフなら,消費者に向けて直に訴えることができるのではないでしょうか?セカンドライフ内で,新製品の発表会やイベントをするとともに,一定の時間を決めて担当者を置いておいて,何でも説明に応じるというのはどうでしょうか?実際に購入したい人がいたら,最寄りの店舗を紹介するとかしてくれるといいですね。個人的には,例えば,アップルの人に「新しいiPodってどうなのよ?」みたいな質問をしてみたいです(できたら日本語でw)。

PC用ソフトなんかはどうでしょうね。セカンドライフを利用したデモンストレーションや,トレーニング講座を開いたりすると面白いかもしれません。いちいち本読んで勉強したり,スクールに通ったりするのは大変ですものねえ。

旅行会社で,セカンドライフ内に支店を作って,店員をおいておき,例えば,「今度の週末に一泊で温泉にいきたいけど,お手頃なパックはないですか?」などといった相談に応じてくれ,最寄りの店舗でチケットを確保してくれるというようなのはないですかねえ。いちいち旅行会社に行くのが面倒なのです。

こんなふうに書くとすごくものぐさな人間と思われるかもしれませんが,仕事がとても忙しくて,リアルの店舗に行く暇がないのです。コンビニじゃないけど,夜に仮想世界で開いている店舗があるととてもうれしいです。どういうものか分かっているものなら,アマゾンなどのWEB通販で買いますが,商品の説明を聞いてから,買いたいようなものもあるので,説明をしてくれる店員がいるとうれしいですね。

たぶん,きっと人件費の問題とかあるんでしょうね。実際に客が来るかどうか不安なら,現実世界で他の仕事やりながら,IMで呼ばれれば,仮想世界の店舗にも顔を出せるというくらいでいいのですがねえ。

そういえば,NECがセカンドライフ内に仮想銀行店舗を作って,相談業務をする「可能性を検証する」というのが最近発表されました。
ローンの相談などがセカンドライフ内で実際にできたら便利ですね。

なかなかこういうのが広まらないのは,手間がかかるからだと思いますが,手間をかけないで期待した結果が得られなくても,セカンドライフのせいにしないでほしいですね。

2007年10月14日日曜日

メガプリム問題

メガプリム,又はヒュージプリムと呼ばれる1辺の長さが10mを超える巨大プリムは,セカンドライフの初期の頃(β版?)に作成可能だったもので,その後は作成するプリムの大きさは1辺10mに制限されています。そして,今は,この初期の頃に作成されたメガプリムがコピーされたり,変形されたりして,一般に配布されています。

このメガプリム,セカンドライフでは土地面積当たりのプリム数が制限されていることから,大きな建造物を造るときには,結構活用されていると思います。

しかし,このメガプリムは,SIMに大きな負荷をかけるもので,LL社はその使用を奨励していませんし,レンタルの個人SIMでは,メガプリムの使用を規制しているところもあります。

最近,公式ブログにメガプリムの使用の是非について,問題を投げかける投稿がありました。

公式ブログの記事

この問題への関心は大きいようで,あっという間にコメント欄は150を超えてしまいました。

コメントをざっと見た限りでは,ユーザーの意見の多くは,10mを超えるプリムを一律に規制するのではなく,ある程度の大きさ(1辺20m,50m,100m?)以下のものは使用を認めてもらいたいというもののように思います。やっぱり,かなりの人が,プリム数を節約するために,建造物についてメガプリムを活用しているように見えます。仮に,既存のメガプリムを削除されてしまいますと,建造物を1から作り直ししなければならない人がたくさん出てくることが予想され,これに踏み切ると大変な混乱が生じる可能性があります。

LL社は,最近,物理エンジン(オブジェクトについて物理的挙動をさせるソフトウェアライブラリ)のバージョンを新しくしようとしています。セカンドライフに使用されている物理エンジンは,最近インテルに買収されたHavok社のものを使用していますが,最近,Havok4(最新バージョンと書きたかったのですが,最新は5のようです。)を導入したベータグリッドを公開しており,ゆくゆくはこれをメイングリッドに導入しようと考えているようです。しかし,メガプリムは,物理エンジンに大きな負担をかけるため,LL社としては,この機会にメガプリムを一掃したいと考えているのではないでしょうか?

個人的な感想としては,せめて1辺32mまでは認めて欲しいと思います。実は,床を敷くのに32×32×0.8のプリムを使っているのですw やっぱり10mって建築するときはあまりに小さいですよねえ。

LL社さま,メガプリムを禁止するなら,せめて土地に置けるプリム数増やしてください。
ユーザー数伸び悩んでいるみたいなのに,ちょっとはいいことも考えてほしいですね。

2007年10月8日月曜日

ID認証その後

1 問い合わせのメール

前にセカンドライフにID認証システムが試験的に導入されるということを書きました

LL社のプレスリリース

これはSIMオーナーを対象に試験的に実施されたもので,実際にID認証をした人の話では,登録ページから,氏名,住所,生年月日などのID情報とともに公的証明書のID番号を打ち込むことになっていて,日本の場合,運転免許証番号又はパスポート番号を打ちこんで認証手続をするようです。わたしはSIMオーナーではないので,これを試すことはできないのが残念です。

ところで,認証プロバイダーが,どうやって日本人の運転免許証番号やパスポート番号を入手しているのか疑問になって,直接認証プロバイダーであるAristotle社に問い合わせのメールを出してみました。
最初のメールは8月31日でしたが,ごく簡単にAristotle社が日本人のID認証を行っているのかどうかを聞いてみました。

しかし,返事がないため,9月23日に再度のメールを出しました。
メールの内容は,「日本政府は運転免許証番号やパスポート番号を民間業者に開示していないと思われるのに,どうやってそれらの情報を入手しているのか?」という内容です。
そのメールを送った際に,また,返事がないと困るので,ちょっと失礼かと思ったのですが,ID認証システムの信頼性に疑問があること,自分が日本のブロガーで返事の内容はブログに公開すること,返事がなかったときはそのことも公開することなどを付け加えておきました。

しかし,なおも返事がこないので,10月7日付けで3度目のメールを送信してあります。果たして返事は来るのでしょうか?

2 ID認証は浸透するか?

現時点では,ID認証をする意味は,土地所有者が制限エリアを設けた場合に,そこに入っていけるというだけにとどまるようです。しかし,アダルトコンテンツを置く業者が,どこまで積極的に,制限エリアを設けるのか疑問のように思います。というのは,制限エリアを設けるとID認証した人しか入れないため,もしID認証が広まらないと,ある意味では客を排除することになって,営業的には不利になると思われるからです。それに,もともとセカンドライフは18歳未満の人は利用できないことになっているはずですので,特に制限しないで,もし18歳未満の人が入ってきてしまっても,それは業者側の責任ではないという言い分が成り立つようにも思えます。
 
LL社は成人向けコンテンツがある場合には,規制をするように強く推奨していますが,果たしてどこまで浸透するでしょうか?

公式ブログ

上記の和訳
  
ID認証の信頼性については,Aristotle社からの返事がない限り,断定的なことはいえませんが,仮に,公的データからの照合がきちんと行われていたとしても,そうした公的データ自体を盗用されることもないとはいえませんから,いずれにしても完全に信頼できる個人認証というものではないようです。まあ,費用対効果を考えると上記のようなシステムが限界なのかもしれませんが。

2007年10月5日金曜日

Marc Bragg氏とLindenとの間に和解成立

Lindenが,Marc Bragg氏が不正な土地取引をしたとして,同氏のアカウントを停止していた件について,Marc Bragg氏がLindenとその代表者Philip Rosedale氏を訴えていた事件で,和解が成立したそうです。

公式ブログの記事

ロイターの記事


和解の内容は秘密とされています。
ともかく,これによってMarc Bragg氏のアカウントは回復されるようです。

野次馬としては判決まで行ってほしかったのですが,それぞれに和解をする事情(勝訴の見通し?早期解決?訴訟のコスト?)があったようです。

ただ,この訴訟の中でLindenのTOSの仲裁条項の効力が否定されたことから,LindenがTOSを変更するきっかけとなったもので,チャレンジャーとしての意義はあったものといえましょう。

わたしは新しいTOSの専属管轄の条項についても十分争う余地は有りそうな気がするのですが,次のチャレンジャーの登場を期待したいと思います。